愛犬の噛み癖の直し方・訓練士の方法について書いていこうと思います。
「愛犬の噛み癖がなかなか治らない」
「犬が興奮して遊んでほしい時に噛み付いてくるから手が傷だらけ」
といった悩みを抱えている人に対して噛み癖をマズルコントロールで直す方法を伝えていこうと思います。
(文章だけでは分かりにくい人もいると思いますので動画も貼り付けています。)
マズルコントロールの長所としては、成功すれば噛み癖が早く直すことが出来るといった点です。
早く直せるのでしたらマズルコントロールに挑戦してみる価値は十分にあります。
犬の甘噛みは子犬の頃にきちんとしつけをして早めに直さなければいけません。
「噛まれてもそんなに痛くないし可愛いから許しちゃう」
などと育てていれば子犬は「噛むことを許される」と思って誤解します。
少しずつ直していく方法でも良いのですが、ズルズル中途半端にやってしまうとなかなか噛み癖が直らないといった事があります。
さらに、そのままに噛む癖を放っておくと大きくなるにつれて次第に本噛みになり、何にでも歯を立ててしまう困った犬になってしまう可能性があります。
飼い主が困った悩みランキング1位がこの噛みグセです。
困っている人のために治し方を伝えていこうと思います。
ある程度大きくなってしまった犬でも根気よくすれば、治りますので頑張って挑戦しましょう。
愛犬の噛み癖の直し方・マズルコントロール。
何をすればいいのかというと、たいした事ではなく愛犬の体を触るスキンシップです。
できるだけ最初に愛犬をリラックスさせた状態で始めるようにしてください。
愛犬を落ち着かせたならいよいよ「マズルコントロール」を始めます。
順番がありますが①ホールドスティール②マズルコントロール③タッチングの3段階があります。
飼い主の方が、女性の人や力に自信が無い方、また力が強い犬でしたら2人組みでやることをお勧めします。
まずは①のホールドスチールに挑戦して見ましょう。
Aさんがあなたです。
Bさんが友人や知り合いです。(2人でする場合)
(アナタ1人でする場合は、Bさんはいないと思ってください)
ホールドスチール(体を抑える)
噛み付く状態をまず止めるためにホールドスチールをしましょう。
犬を座らせた状態で友人のBさんが犬の正面から餌を差し出します。
Aさん(あなた)は愛犬の背中に回り、犬の体を後ろから両腕に抱きつくようにしましょう。
暴れるようでしたら股の間にも挟むように抱きかかえましょう。
このときホールドされて暴れているなら、興奮が収まるまで手の力をゆるめずに続けましょう。
(暴れているなら頑張ってください)
愛犬が落ち着いてきたら②のマズルコントロールに入ります。
マズルコントロール(下顎を掴んでコントロール)
マズル(口元)に触ることに挑戦しましょう。
あごの下から手を添えるようにして掴んで、マズル(口元)を右に左に、上に下にとコントロールしましょう。
(AさんBさんどちらがマズルコントロールしても大丈夫です)
下あごをしっかりコントロールしていてば噛まれることはありません。
犬が暴れたらしっかり愛犬の背中を胸元にしっかり密着させること。
愛犬が体を動かそうとした時は、胸元にしっかりぐっと引き寄せて密着度を高くしましょう。
この動作を繰り返して、口を自由に触らせてくれるようになったら、犬の中での順位が上という意識がなくなっていきます。
なぜかというと、犬にとって鋭い歯は最大の武器です。
口を触らせるということは「威嚇したり・噛んだりしません」と誓いをしていると同等のことなのです。
従順(じゅうじゅん)の証だと思っても良いでしょう。
タッチング
犬を後ろから抱きかかえた状態で、犬の体をくまなく触っていきましょう。
(この時もAさんBさんどっちが触ってもでも大丈夫です。)
特に犬が触られることを嫌がる耳や足先、尻尾などを十分に触るようにしてください。
なぜ嫌がるのかというとこれらの部分は犬の弱点だからです。
愛犬が若ければ若いほど、触られることに慣れるのは早いでしょう。
逆に触られるのが嫌がる事をそのままにしてきた期間が長いほど慣れるまでに時間がかかります。
あせらずに少しずつ抵抗をなくしてあげることが肝心です。
慣れてしまえば、えさを使わなくてもホールドスティールの状態でどこを触られても、大人しくしているようになります。
ここまでしたら愛犬の噛みつきグセは無くなります。
愛犬に絶対服従を思わせることで主従関係が築けるのです。
あなたの愛犬がマズルコントロールが終わったら「がんばったね」とたっぷりと褒めてあげてくださいね。
動画で説明しています。↓
最後に・・・
なぜか噛み癖がいけないのか?それは犬の権勢本能を大きくしてしまうからです。
噛むのをそのままにしておいたら「噛んでも、ちっとも向かってこないな?僕のほうが上ってことだよな」と犬は思ってしまいます。
飼い主より偉いと思った愛犬はどんどんエスカレートしていきスリッパや家具、飼い主の手も噛んでしまいます。
そして手が付けられない犬になっていくという構造です。
今回みたいな少し強引なようなしつけは人間のエゴだったり、犬が可哀想という意見も多いですが、愛犬を手放す人が多い理由がこのが噛みグセです。
噛みグセが原因で飼い主から手放された愛犬はどうなるかわかりますよね?
愛犬の可愛い仕草に惑わされずにきちんとした態度で対処する必要があります。
マズルコントロールは愛犬のためでもあると思って実行するのが訓練士の考えでしょう。
もし一人では失敗したり難しいのでしたら、協力者を連れて挑戦する価値はあると思います。
このマズルコントロールは正直な話、賛否両論あります。
しかし、もし挑戦をしようとする人がいれば失敗を恐れないで、可能性があるものは堂々とやるべきだと思うのが私の考えです。
例え失敗したとしても、それは愛犬のためにやったことであり、その時点であなたは怖いことに挑戦することが出来る勇気をもった立派な愛犬家なのです。