犬が誤飲・誤食したときの対処方法と誤食しやすい物を伝えていこうと思います。
犬の誤飲・誤食について「うちの子は大丈夫」って思っている方いらっしゃると思います。
しかし、実際は愛犬が誤食をしたことがあると答えた飼い主さんは意外と多く、全体の約7割になります。
油断は禁物です。
誤飲・誤食のせいで10数万円の手術が必要になるケースや最悪の場合、愛犬が苦しんだうえに死亡するケースだってあります。
まずはどういったものが誤飲・誤食しやすいのか見て覚える必要があります。
きっとあなたの役に立ちますから最後まで見て行ってくださいね。
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目次
犬の誤飲・誤食しやすい食べ物の全リスト
私達の日常に潜んでいる誤飲・誤食しやすい物を紹介しておきましょう。
よく飲み込むもの
とうもろこしの芯・靴下・乾燥剤・トイレシーツ・ボタン・犬用おもちゃ・砂・蝉などの昆虫・チキンの骨・タバコ・竹串・爪楊枝・紐・アイスの棒・ティッシュ・果物や野菜の種
特に12月はチキンの骨が多いようです。
意外なもの
針金・タオル・ファンデーションのスポンジ・空き缶のプルトップ・チョコレート・たまねぎ・ダンボール・他の犬のウンチ・鉛筆・輪ゴム・消しゴム・長ネギ・除草剤・人用の薬・ファスナー・団子型の殺虫剤・落ち葉・安全ピン・小石など。
中毒症状が出やすい物
薬やサプリメント
鎮痛剤や精神薬、またサプリメントなどは種類や量によっては、命の危険があります。
気づいたらなるべく早く病院にいって、薬が溶けて体内に吸収される前に摘出してあげましょう。
殺虫剤や殺鼠財
説明不要だと思いますが、室内で使われるゴキブリ用のホウ酸団子は特に危険です。
また害虫駆除剤や殺鼠剤などの一部は飲み込むと重症になり、最悪な場合死亡するケースがあります。
除草剤
中に入っている成分によっては急性腎不全を引き起こしたり、昏睡状態に陥ることも、体内に吸収される前に早めに病院に連れて行ってあげてください。
チョコレートやねぎ類
カカオの含み量が多いビター系のチョコレートは急性心不全を起こすことがあり、かなり危険。
ねぎ類は誤食後、血尿が出たり、肝障害が起こる場合があります。
内臓を傷つける可能性があるもの
紐(ひも)類
ひも状の異物の場合、腸を通過するときに万が一どこかに引っかかったりすると、異物が引っ張り合って腸をズタズタに引き裂くことがあります。
絶対引っ張るのはやめてくださいね。
串・爪楊枝
細かくかじって飲みこんでいるのでしたら、まだ排泄される事がありますが丸呑みしている場合は危険です。
尖った先端が内臓を傷つけて腹膜炎を起こしてしまい、酷い場合死亡するケースがあります。
針・ピンなどの金属
そのまま丸呑みして、金属なので消化されずに内臓を傷つけながら体内を通過していきます。
体内にいれておくのは危険なので開腹手術で取り出します。
内臓に詰まりやすい物
タオル・靴下・タイツ
タオルが腸を通らずに、何年も胃の中でとどまってしまい、慢性胃炎を起こして頻繁に吐くなど腸閉塞を引き起こすので、切腹手術をする場合も。
種(たね)
梅干や桃などの大き目の種は、食堂を通過したあと腸を通らず消化されずに何年もとどまって慢性胃炎の原因になることがあります。
犬が毒物を飲み込んだときの中毒の症状
中毒症状の一覧を記載しておきます。
よだれをたらす
嘔吐(おうと)
痙攣(けいれん)
呼吸困難(こきゅうこんなん)
チアノーゼ
おしっこを漏らす
こん睡状態におちいる
死亡する
上記症状は大体毒物を食べて30分から60分の間に以上の症状が見られます。
誤飲・誤食が多い犬種
これらの犬種を飼っている人は特に注意が必要です。
特徴として好奇心がつよく、何でも口にしたがる犬種のようです。
もちろんこれ以外の犬種でも誤飲・誤食をする可能性が十分にあります。
ゴールデンレトリバー
ラブラドールレトリバー
ウェル・シュコーギー
チワワ
ミニチュアダックスフンド
病院にいく前に
いったん冷静になって落ち着いてください。
実際は誤食していない場合が多いです。
誤食してないのに病院へ検査しに行くと愛犬に余計な負担をかけてしまいます。
誤食したと思ったものが下に落ちていたり、周りに無いか無いのをしっかり確認したうえで病院につれていきましょう。
誤飲誤食をしたら
誤食したモノにも色々な大きさや、形があるので何でもかんでも、ウンチになって排出されるといった事はありません。
焦って自己判断で処置すると症状の悪化や治療の妨げを招いてしまうことがあります。
自分でどうしようとか思わずに一刻も早く病院に連絡することが重要です。
自己判断の危険
吐かせようとする
無理やり吐かせようとすると喉に詰って窒息死する可能性があり、鋭利なものだと吐く途中で食道を傷つけてしまう可能性があります。
直後にドッグフードを与えて手術に影響
消化をほどこそうとしてフードを食べさせるのは×です。
手術になったときは胃を洗浄するのですが、その際にフード残っていると返って手間が増えてしまい処理が遅れます。
排泄されるのを待つ
そのうちウンチになって出てくるだろうと思っていたら、腸に詰っていたという場合が考えられます。
症状が酷いと腸の一部を切除するということも。
後から誤飲・誤食に気付いたら
ウンチで出た
破片が出たら他にも食べていないか確認して、残っている数が足りなければ病院で調べてもらいましょう。
吐いて出た
30分ぐらい様子を見て、その間は水もドッグフードもあげないようにしましょう。
すぐに水やフードをあげてしまうと、胃袋が落ち着いていないのでまた嘔吐する可能性があります。
肛門からでた
肛門から紐などが出た場合、無理やり引っ張ると腸を引き裂いてしまう場合があります。
自然と出てくるのを待って、引っ張り出さずに、ハサミなどで切ってあげましょう。
緊急時・喉に詰らせている(異物)
喉に詰って窒息しているので緊急事態になります。
これらの方法はあくまで緊急時で、早く取り出さないと窒息死の可能性がある場合に限ります。
素人判断で処理するのはとても危険なので、緊急時ではない場合は出来るだけ動物病院にいきましょう。
無事に処理が終わった後でも出来るだけ獣医さんに見てもらうことをお勧めします。
以下の方法を試しても、出なかった場合は直ぐ動物病院に連れていってあげてください。
小型犬の場合
後ろ足を両手でもって、逆さまにして何度か上下に揺らしてあげれば吐く場合があります。
2人いる場合、もう一人が犬の背中を強めに手のひらで叩くことで吐かせることが出来る場合があります。
大型犬以上の場合
横向きに寝かせてあげて、手をパーにして胸の後ろ側に当てて前の方向にに力をいれて押してあげましょう。
取り出せそうな場合
犬の口を開けて、舌を引っ張って異物を取り出せそうなら手や指、ピンセットを使って入れて取り出します。
食べ物を喉に詰らせている場合
食べ物の場合、吐き出させるよりも奥に押し込んで飲み込ませてあげる方が安全な場合があります。
口の中を先の丸い棒状のもので、気をつけながら押し込んであげてください。
また緊急時でも電話が繋がるのでしたら出来るだけ獣医さんに聞いたほうがよいでしょう。
上記手段は1秒でも早く対処しないといけない緊急用です。
電話で様子を見てと言われたら
誤飲・誤食直後は避けて、普段より早めにフードを与えて消化を施しましょう。
誤食物がウンチで出てくることも。
誤飲・誤食した翌々日までウンチに異物が混じってないかチェックしてください。
透明なビニールに入れてグニグニ潰しながら中身を確認してください。
電話で病院に来てといわれたら
誤食した食べ残しを持参して、殺虫剤や薬などがあれば直接持っていったり、成分表を携帯のカメラで撮っておきしましょう。
連れていくときは、腹を押さえないようにして胸とお尻を持って抱っこしてください。
おなかを押さえると誤食したものが鋭利なものだった場合、体内で刺さったりするのでなるべく触らないようにしてください。
またキャリーケースに慣れている犬や中型以上の犬でしたら、あまり体を動かさないことが出来るのでキャリーケースを使うことがお勧めです。
病院では、何を誤食したのか様子はどうだのかを詳しく獣医さんに伝えましょう。
病院での手術や取り出す方法
まずはレントゲンをとって異物がどの大きさで、どこにあるのか確認します。
そんなに大きくなかったら、睡眠薬で眠らせて内視鏡で胃袋の中から取り出す方法を用いることが多いようです。
この場合、日帰りで帰ることが出来るようです。
次に催吐(吐かせる)させる方法です。
まだ胃袋にある場合で嘔吐させることで解決できそうな場合、催吐作用のある薬や注射で嘔吐させます。
上記2点でも難しい・困難と獣医が判断した場合、切開手術をして直接胃から取り出す手術をすることになります。
切開手術の場合入院も必要になり、高額な医療費も掛かってきます。
入院費1日で3000円から1万円でそのうえで手術代が掛かってきます。
犬は誤飲誤食しやすい動物(本能)
まず犬の歯の役割は、食べ物を千切(ちぎる)為にあるのがほとんどです。
人間みたいに食べる前に、噛むという行為をしない事が多いため口に入るものなら何でも抵抗無く迷わず飲み込む事ができます。
犬は野生時代の名残から、食べれる時に食べないと生き残ることが出来ないという生活を送っていました。
ですから食べ物に対する執着心が強いのが当たり前なのです。
また普段から私たちが、食べ物を食べている場面を見ているし、匂いがするため興味が湧きます。
子犬に関しては特に何でも口にするため、特に注意が必要といえるでしょう。
誤飲誤食をさせないために気をつける事
家の中で心がけておくこと
誤飲誤食しやすい台所や子供の部屋に犬を入れないように気をつけて、入り口に柵などを設けたりしてください。
ゴミ箱は漁らせないようにフタつきで転がりにくい重さがあるものを使うことをお勧めします。
愛犬がテーブルの上に登らないように、足ががりになる食卓のイスは必ずテーブルの下にしまいましょう。
愛犬は好奇心や匂いにつられて床に落ちているものを口にしがちです。
使ったもの置いたままにしないでそのつど片付けるようにしましょう。
おもちゃが壊れていたら、誤食する可能性がありますので直ぐ捨てるようにしてください。
また食べ物やおやつを与える時は喉を詰らせないように、適度な大きさに切って与えるようにしましょう。
散歩中
散歩中は前方に注意して、愛犬より先に拾い食いしそうなものを見つけたら、リードを短くして避けて歩きましょう。
散歩中は愛犬が拾い食いをしないように気をつける。
散歩する時は主導権を握って、あなたより愛犬を先に歩かせないようにしましょう。
おやつで交換するしつけを覚えさせる
異物を口に咥えたときに、無理に取り上げようとすると犬は奪われないように飲み込む可能性があります。
あせらず、おもちゃやおやつなどを持って、咥えている異物と交換するようにしつけの「ちょうだい」を覚えさせましょう。
ちょうだいの覚えさせ方
①持ち手のある長いおもちゃの片方を愛犬に咥えさせて、もう片方をあなたが持って引っ張り合って遊びます。
②もう片方の手でおやつを見せて、愛犬がおもちゃを放したら「ちょうだい」といって取り上げます。
出来るまで、根気よく何度も繰り返しましょう。
最後に・・・
犬は好奇心や匂いにつられて、こんなものまで?と思うようなものまで口の中に入れようとします。
室内飼いが多くなった現在では、犬が興味持ちやすいものが回りにあふれかえっています。
誤飲・誤食する可能性が昔より、はるかに高くなりました。
誤飲・誤食しやすいものを覚えておいて、愛犬の届かないところに置くようにしましょう。
万が一誤食してしまったときは獣医さんに電話して指示に従うことが大切です。