犬に大根をあげても良いか?摂取できる栄養効果とメリット、食べさせる際の注意点について。
たまにスーパーに安く売ってあったり、料理後など冷蔵庫に余っていたりする身近な存在の大根。
手作り食を与えている愛犬家の方も、大根をよく使ったりしています。
もちろん犬に食べさせても大丈夫です。
しかし、ひとつ大きな注意点があります。
それは甲状腺に病気を抱えている犬には食べさせることはお勧めできません。
(理由は本文でお話します。)
この注意点だけクリアできたのでしたら、愛犬に大根を食べさせることについてはお勧めといったほうが良いでしょう。
理由としては以下のとうり。
栄養素もきちんとありますしカロリーも低めです。
そして好物の犬がいるならたまには違うものを食べさせて食欲を満たしてあげることでストレスも軽減できます。
しかし、与え方を間違ってしまうと下痢になったり、体質により具合が悪くなる犬もいるかも知れません。
これから教える知識をつけて食べさせてあげてくださいね。
犬が大根を食べることについて
大根には消化酵素が豊富なだけではなく「イソチオシアネート」という珍しい成分が含まれています。
有害物質を排除して発ガン性の物質を抑える働きがあります。
さらに血液をサラサラにしたり、血栓を予防する効果も。
大根はきちんと与える量を守れば、胃腸や賢臓の動きを助けてくれる野菜とも言われています。
大根は90%が水分になりますので、普段からドライフードばかりで水分が不足気味の犬にもお勧めですよ。
大根の与え方や調理方法。
犬の消化器官は野菜を消化することは得意ではありません。
消化しやすいように出来るだけ小さくしてあげたり、大根の場合は刻んであげることがおすすめです。
大根は熱を通すことで柔らかくなり、食べやすくなりますが加熱すると酵素が抜けてしまいます。
ですから酵素やビタミン類を摂取してあげたい場合は、大根おろしにして食べさせることをお勧めします。
大根を生で食べさせても大丈夫
「愛犬がふとした隙に生のまま食べてしまったけど大丈夫だった」
「生で食べさせても問題が無い」
という意見もあります。
特に大根の根の消化酵素が多い部分は熱に弱いので消化酵素も取りたいのであれば、加熱させずに生であげましょう。
生といってもスーパーから買ってきた物を、そのままあげないでくださいね。
消化不良を起こす可能性をできれば避けたいので、小さく刻んで食べさせてあげてください。
大根に熱を通すとどうなるか?
大根に熱を通すと、甘味が増すため犬の食欲を促進(そくしん)させることが出来ます。
しかし、加熱すると水に溶けてしまう性質があるビタミン類は4分の1まで減ってしまいます。
ビタミン類を取らせてあげたいのであれば、大根おろしにしてあげたりミキサーなどで細かく切ってあげましょう。
葉っぱを食べさせても良いのか?
食べる事が出来ますが、出来れば火を通すことをお勧めします。
葉っぱの部分は根の部分のよりも食物繊維が多いので、消化不良を起こしやすいです。
葉っぱ部分にはビタミン類・カリウム・カルシウムなど、身体に良い栄養成分が含まれています。
大根は部分や季節によって味が変わる。
根の葉っぱに近い頭の部分は甘味があり、下の根の部分は辛味があるといわれています。
犬の腸に負担をかけない事を考えているのであれば、甘い上の部分を食べさせてあげることをお勧めします。
また、春~夏に育った大根は辛味が強めで、秋~冬に育った大根のは甘みがあります。
断然、秋から冬に収穫された大根のほうが、甘みがあるため犬が食べるには身体に優しいしお勧めです。
大根の効果
低カロリーで水分と食物繊維が多いので、主にダイエットや腸内環境を掃除するデトックス効果があるといわれています。
ダイエット効果
大根はカロリーも低く90%水で出来ています。
フードに少し混ぜて全体のフードの量を抑えてあげることで、カロリーを低くしてあげることが出来ます。
デトックス効果
食物成分と水分が90%と多いので身体の中にある老廃物を外に排出するデトックス効果があります。
豊富な栄養成分
ビタミンC
人間と違って犬にはビタミンCを自分の身体で作ることが出来ますが、身体の状態や調子により不足することがあります。
不足すると、免疫力が落ちて身体が弱くなりがちになります。
食べ物でビタミンCを十分に身体に取り入れてあげる事で強い抵抗力のある身体を作ることが出来ます。
ビタミンB6
疲れた身体から疲労を無くして回復させる役割があり、更にカルシウムの吸収をサポートする働きを持っています。
カリウム
怪我をしたときに血液を、固めて出血を止める役割と骨を丈夫にする役割があります。
利尿作用もあるため、外に老廃物やナトリウム(塩分)を排出させることが出来ます。
ミネラル類
身体の構成部分になったり、調子を整えたりするのに重要です。
酵素類
「シアスターゼ」・「プロアテーゼ」・「リパーゼ」根の部分にある酵素の中にある3つの成分。
炭水化物の消化を補助して胃酸をバランスよく保つ働きがあります。
胸やけや消化不良を起こしやすい犬にとっては嬉しい成分です。
しかし、これら酵素類は加熱すると少なくなってしまいますので摂取させたいのであれば加熱せずに食べさせましょう。
大根の葉っぱにある栄養
大根の葉っぱの部分は緑黄色野菜(りょくおうしょくやさい)に分類されます。
白い根の部分より栄養が豊富です。
下記の栄養素以外にも、ミネラル類(カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン)などがあります。
葉酸(ようさん)
葉っぱの部分に葉酸があり、貧血を予防する効果があります。
ビタミンE
犬の身体の血行を良くして、身体の隅々まで栄養を送ることができます。
その結果、皮膚がきれいになり結果として毛並みも良くなります。
ビタミンK
酵素を動かせるための補助的な役割をはたしたり、たんぱく質を上手く活用することが出来ます。
また丈夫な骨組みを造っていくといった過程で必要な成分です。
ベータカロチン
犬の身体の中でビタミンAになります。
免疫力をあげて犬の健康に大きく貢献してくれます。
大根の保存方法
大根を丸々1本買ってきたときの保存方法として、葉っぱや茎がくっついていると痛みやすいので4つの部位ごとに切り分ける必要があります。
また、別の方法として食べたい大きさに切ったり大根おろしにする場合に冷凍庫に入れることでも保存することができます。
大根1本丸まる保存する場合
4つに切り分けて保存します。
①葉っぱの部分から、1、2cm下から切る
②次に大根の根元部分から中盤部分を切ります。
(大根の3分の1を上から切ります。)
③中間部分と先端部分を半分ずつに切ると、中間部分と先端の部分が別になります。
葉っぱの部分・根元の部分・中間の部分・先端の部分
の4つになります。
葉っぱの部分は、切り口の部分にキチンペーパーを巻きましょう。
葉っぱ以外の3つの部分は全体的にキッチンペーパーに巻いてさらにビニール袋に入れた状態で保存しておきましょう。
葉っぱの部分と根(根元・中間・先端)の部分は別にポリ袋に入れるか、ジップロックなどの保存袋にいれます。
出来るだけ空気が少ない状態で袋に入れましょう。
キッチンペーパーが、湿ってきたら交換してください。
これで長期保存が出来るようになります。
食べたい部分だけを取り出せばOKです。
大根をカットして保存したい場合。
好きな、大きさにカットしてジップロックなどの冷凍保存用の袋に入れて冷蔵庫に入れましょう。
大体1ヶ月は保存できます。
大根おろしにして保存する場合。
大根おろしが余ったり、作りすぎて保存したい場合などの保存方法です。
大根おろしの水分を切って製氷皿(氷を作る皿)に小分けにして入れてサランラップなどでふたをして冷凍庫に保存しましょう。
解凍する時は自然解凍させれば大丈夫です。
約1ヶ月間ほど保存することが出来ます。
下記に保存方法の動画をあげています。(PCのみ視聴可能)
(大根おろしの保存方法が記事と少し違いますがお好みのほうを選んでいただければと思います。)
注意点
大根をあげる際に注意することがありますが、以下の事をきちんと意識して守れば大丈夫です。
身体に合わない犬もいる。
初めて食べさせる時はごく少量を食べさせて様子を見るといった方法がお勧めです。
大根にアレルギーなどは聞いたことは無いですが、犬の身体に合わない場合があり以下の症状が出る可能性があります。
下痢や嘔吐をする
身体をかゆがる
目が充血する
元気が無くなる
上記症状が見られたら食べさせるのを一旦食べさせるのを中止して回復を待ちましょう。
一向に回復しない場合や、症状が酷くなる場合は獣医さんに相談してください。
甲状腺の疾患がある犬には与えない
大根や白菜・キャベツといった「アブラナ科」という種類に分類される野菜は、犬に食べさせてはいけないという情報が出回っています。
何故そういわれるのか?
理由は「アブラナ科」に含まれるグルコシレノートという成分の一部が犬の体内でゴイドロゲンという物質に変化します。
大根を与えることが良くないといわれる情報源についてはこのゴイドロゲンがあるから良くないといわれています。
ゴイドロゲンは甲状腺の動きや吸収を弱くするという性質があります。
甲状腺に疾患を持っている犬は機能障害をおこして身体に様々な支障が発生する事があります。
与えるのはやめておいたほうが良いでしょう。
大根を食べさせる量を守る。
体重5kgの犬に対して、20~30gを目安にするといいでしょう。
大根を1日で食べさせる量
体重3kgの犬で10g~15g
体重5kgの犬で20g~30g
体重10kgの犬で30g~50g
体重15kgの犬で50g~85kg
上記の量を参考にしてください。
しかし最初の方は少量から食べるようにして少しずつ増やしていくといった方法が良いでしょう。
最初に伝えたとおり犬の身体は本来、肉を食べて生きていくように作られているので野菜類を消化することは得意ではありません。
食べ過ぎると消化不良が原因で下痢になったりする場合があります。
特に「イソチオシアナート」の大根の辛い部分は犬にとって刺激が強いので、胃腸に負担が掛かってしまいます。
胃腸の調子を崩してしまう可能性がありますので、大根の与えすぎには注意してください。
人間用に加工した大根を与えないこと。
漬物や鍋用などの料理用に販売されている物は、人間用の味付けになっている事が多いので塩分や糖分が犬にとって過剰摂取になります。
生のままの売っている大根を犬用にあなたが調理して食べさせてあげるようにしてくださいね。
調味料を一切使わない。
人間用の調味料は塩分や糖分が、濃かったりドレッシングなどは、玉ネギの成分が入っていることがあるので絶対掛けないようにしましょう。
素材の味のままで犬はおいしさを感じることが出来ます。
大根についてまとめ
発がん性を抑える働きがある。
ダイエットにも効果あり。
血液をサラサラにする効果がある。
便秘解消やデトックス効果がある。
水分を有効に摂取させることが出来る。
イソチオシアネートの効果
(ガン予防・動脈硬化防止・体の代謝アップ)
甲状腺の疾患にある犬にはあげない。
食べさせる量を守る。
市販の人間用に加工された物を食べさせない。
消化不良を起こさないように出来るだけ小さく切って食べさせる。
酵素を取りたい場合は生であげても大丈夫。(小さく切ってあげるほうが良い)
熱を通すと甘味が出て美味しくなる。(酵素が少なくなる)
葉っぱの部分のほうが栄養が沢山ある。(緑黄色野菜に分類される)
秋から冬に出荷された大根のほうが甘味があって美味しい。
最後に・・・
中には、料理に添えられている大根を犬が欲しがったり、目を離すと勝手に生で食べたりすることがあるぐらい大根が好きな犬も存在します。
「良質なドッグフードを与えている場合は必要ない」
といった意見もありますが、あなたの判断で食べさせるか食べさせないか決めるのが需要です。
愛犬が好きな食べ物をあげても今回みたいに大丈夫だった場合。
あなたが今思っているかもしれない「愛犬が喜ぶ物を食べさせてあげたい」という気持ち。
こういった思いをあなたが持ち続けている限り、愛犬との生活にも彩りと新しい発見が生まれ続けていくことでしょう。
余った物を少し調理してあげるぐらいでも十分です。
それをフードに少しトッピングしてあげるだけでも愛犬の日々の満足度はあがります。
安全で犬が喜ぶのでしたら常食させない程度に「食べさせても良いでしょう」というのが私の意見です。
それでは、あなたと愛犬の幸せを願っております。