犬の脱臼・骨や関節まわりの5大病の早期発見の方法と予防法を伝えていきたいと思います。
骨や関節による病気は、日ごろの行動で少しずつダメージが蓄積されて、病気になってしまうケースが多いものが多数あります。
逆に言えば気をつけて行動するようにさせてあげれば防げる病気も多いというわけです。
この記事を読んで、愛犬の変化に気づくようになり骨・関節に関する病気を防げたり症状が悪化する前に気付くようになりましょう。
目次
犬のがよくかかる脱臼・骨や関節まわりの5大病気
よくかかる5大病気について書きました。
それでは順に見ていきましょう。
①膝蓋骨脱臼(パテラ)
原因
足のひざの皿の部分がずれてしまうことでおこる脱臼です。
生まれつきの体質が原因でなりやすい病気で小型犬に多く生後6ヶ月から発症します。
片足から脱臼していくにつれ、もう片方も脱臼するケースも、症状が進むと本来の位置から骨が外れて脱臼をしている状態になり
足を引きずったり、しゃがんだ状態で歩くようになります。
この時点でも治療は可能です。
しかし更に症状が進むと、修復することができなくなり、常時脱臼している状態で骨が変形してしまい膝(ひざ)を曲げた状態で歩くようになったり、全く歩けない状態に陥ってしまうことも。
初期症状
歩く時、スキップをするように一瞬片足を浮かせるように歩いたりしますが少し時間がたてばもとの歩き方に戻る犬もいます。
ですのでよく観察しましょう。
そのほかに、後ろ足を引きずりながら歩く
いつもよりひざを曲げたり、のばしたりする、片足を上げたまま立ち上がる
などの行動があったら注意が必要です。
予防法
犬の足腰の骨格が成長する1才まで高いところなどからジャンプや飛ばせるなど足に負担をかけさせることをしないように。
また、足に負担をかける過度な運動は控えることです。
小型犬が高いところから飛び降りそうな時は抱えてあげる事も大事です。
治療法
膝蓋骨脱臼(パテラ)は重症度により手術をするかどうか判断します。
軽い症状であれば投薬で遅らせたりすることは可能です。
骨の内部による病気のため薬で完治することはできません。
病状が進んでしまった場合
慢性化すると、靭帯に影響を与えて関節部分にも炎症を起こしてしまいます。
慢性化する前に手術をすることになるでしょう。
②椎間板ヘルニア
原因
犬が持った生まれつきの体質でかかったりします。
病状
椎間板の中身が飛び出してしまい神経を圧迫する病気
椎間板(ついかんばん)とは
背骨を構成している椎体(ついたい)とその間にある薄い軟骨を一緒にした部分です。
その椎間板の中にあるクッションの役割をしている髄核(ずいかく)が衝撃で飛び出してしまい、脊髄神経を圧迫して、痛み、麻痺などが発生します。
初期症状
足や体が震えて、今まで平気だった階段の上がり下がりをためらったりします。
そのほかの症状として、起き上がるとき、歩く時に足がもつれてしまう。
前足に比べて後ろ足のつめの減りが多いなど。
病状が進むと
抱っこや散歩を嫌がるようになったり、神経が麻痺して足を引きずって歩いたりすることも。
頚椎(けいつい)首の骨で発症すると起き上がれなくなることがあります。
予防法
体に必要以上に負担を掛けさせないように太らせないことです。
飛びつきグセを直すことで、背骨付近にかかる負担を減らしてあげましょう。
治療法
初期症状であれば薬で痛みを抑えながら様子を見ることになります。
重度と診断を受けた場合、痛みや麻痺を引き起こす脊髄神経の圧迫を治めるために飛び出した椎間板の中身を取り除く手術をする場合があります。
医学の進歩によりMRI(磁場と電磁波を使って体内の中を撮影する機械)を導入している
検査施設が増えており、早い段階で正確な病気の進行状況がわかるようになりました。
また、MRIにより飛び出した、椎間板を見ることができます。
そのおかげでステージにあわせた適切な手術を受けれるようになりました。
③股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)
早期発見の為の初期症状
お尻を振って歩くことが多く、痛みがある後ろ足をかばうように引きずって歩くこともあります。
他に、立ち上がるのに何かもたついている後ろ足の歩幅が狭かったりずっと頭を下げながら歩いているなど、やっかいなのは病気でも痛そうにせず喜んで散歩で歩く犬もいることです。
病気の原因
股関節が正しく成長しないことによってひき起される病気です。
股関節が緩みやすくなり関節がつくられない病気です。
症状が重くなると歩けなくなることもあります。
予防法
1才ぐらいまでは激しい運動を控えてあげましょう。
犬の成長段階で骨や関節に激しい運動をさせてしまうと、股関節のゆるみを広くしてしまい、病気を引き起こさせてしまう可能性があります。
とくに、フリスビーや激しいジャンプなどは1才までは控えてください。
治療法
あらかじめ予防ができる手術法をすることによって完治可能
1才以下の子犬に股関節のゆるみを改善させて、関節の場所を調節してあげ手術をすれば
併発しやすい関節の炎症も同時に防ぐことができます。
症状が重くなった際は人口関節を入れる手術を行います。
この手術はとても有効で、痛みなどがなくなり走ることも可能で専門の医者に頼むことで受けることができます。
④前十時靭帯断裂(ぜんじゅうじじんたいだんれつ)
初期症状として
散歩中、急に後ろ足を止めて立ち止まる。
大腿骨(だいたいこつ)とすねの骨(脛骨けいこつ)をつなぐ十字型の靭帯が切れる病状。
生まれつき、靭帯がもろく切れやすい犬の体質が原因で、両足とも発症することもあります。
小型犬などは膝蓋骨脱臼が悪化してこの病気が発症する場合も。
治療法
薬物投与して治療をするという方法がありますがそのままにしておくと、もう片方の足にも負担がかかってしまいひざの半月板が損傷を起こす可能性があるため症状が悪化する前に外科手術で治療します。
最新の手術法としてすねの骨の一部を切って関節をプレートなどを使って固定して安定させる治療手術があります。
⑤レッグペルテス
初期症状として
愛犬が常に痛そうに片方の後ろ足を上げている
どんな病気?
太股の骨の先端部分に血液が流れないで
骨が壊死(えし)する病気で症状が股関節形成不全に似ていますが、若い小型犬に多い病気で、とても痛く常に足を上げている犬もいるほどです。
治療法
早期に手術が必要になり、壊死した骨の先端を切って取り除く手術をします。
病状が進行すると歩行障害が後遺症になってしまったり、大腿骨(だいたいこつ)が変形する可能性がありますので病気が発見されたら早期に手術します。
最後に・・・
骨・関節まわりの病気は先天的な原因で病気を抱えてしまうこともあり、防ぎ様が無かったり、これらの病気は手術をする場合が多く、高額の医療費がかかってしまう場合があります。
さらに完治するには、通い続けることがほとんどのケースになり中には予防が困難な病気もあります。
なんでうちの子だけ病気を患ってしまうの?という行き場の無いあなたの辛い気持ちも分かります。
ですが、昔に比べれば動物の医療技術はかなり進化しています。
勇気を持って怖がらずに手術を決断することも選択肢のうちの一つといえます。
治療費が高くつきそうで心配と思う人もいらっしゃると思いますが、勇気を持って金銭的な悩みも獣医さんに全部に正直に相談しましょう。
動物の治療をするだけではなく、経済的な面やなあなた自身の状況も考えてくれる
信頼の置ける獣医さんが必ずどこかにいるはずです。
苦労するかも知れませんが、頑張って探しましょうね。
あなたと愛犬がいつまでも健康で幸せであることを願っています。