ドッグフードの歴史と時代の流れについて話していこうと思います。
ドッグフードってなぜ作られたのか?
理由や始まりを歴史をさかのぼって説明していこうと思います。
この記事を読むことでドッグフードの起源や作られた理由を学ぶことができます。
是非最後まで読んでいってくださいね。
目次
ドッグフードの歴史の始まりについて
一言にドッグフードといっても時代が変わるにつれて飼っている人の目的や価値観が変わっていきます。
それではドッグフードの誕生から見ていきましょう。
ビスケットからの始まり
その昔、1860年ごろビスケットは固形で持ち運びが簡単かつ、長期保存がしやすいという理由でイギリスの船乗り達の食料でした。
当時の船乗り達が乗せていたビスケットは、非常用の食料を兼ねていた食べ物ですのであまり美味しい物ではありません。
保存性を重視して2度焼きして作られていたので物凄く硬かったと聞いています。
付いた呼び名が「リバーブルーの敷き瓦」。
たとえるなら、家の屋根にある瓦ぐらいの硬さのイメージだったと聞いています。
長期の出航から帰ってきた船乗り達が食べなくなったり、古くなったりして余ったビスケットを浪打場に捨てていた所。
そのビスケットを野良犬たちがバクバク美味しそうに食べている現場を見ていた人物がいました。
犬は味覚として甘い味は大好物です。
そして硬いものを噛むことも得意ですから、歯ごたえもあって、甘くて硬いビスケットも美味しかったのでしょう。
当時イギリスに住んでいたジェームズ・スプラッツが偶然通りかかった時に目撃していたのです。
「これだ!!」
と発想とヒントを得て商品化されていくことになりました。
当時は安価に製造するためにとりあえず食べさせておけばいいという考えで、犬の健康など全く考えないで利益重視で犬用の食べ物を作っていました。
製粉業者が穀物のカスと肉の端切れや牛の血・野菜などを混ぜて固めて作るといった製造です。
明らかに犬の健康の事など考えられていません。
そしてロンドンでジェームズ・スプラッツは世界初の犬用のビスケット(後にドッグフード)を発売させました。
その時代は「犬用の食事」という概念がとても新鮮で残飯を与えていた飼い主の間に急速に広がっていきました。
イギリスからアメリカにも発売することになりアメリカの都会では愛犬に「ドッグフードを与える」という行為がトレンドでステータスとなっていたのです。
同時に利益を重視した製造技術もイギリスからアメリカへ知れ渡る事になります。
ドッグフードという製品のブランディングに見事に成功したので大きな市場を確保することが出来ました。
戦後はアメリカから日本へ
日本にアメリカの進駐軍が来る様になり、ドッグフードの存在は少しずつ知れ渡るようになりました。
アメリカ兵が警察犬や軍用犬にドッグフードを与えていたのです。
しかし戦後のこの頃の日本は、まだ貧しく自分たちの食べ物のことで精一杯で犬用の食べ物のことなど考える人などいなかったのです。
人々は犬を飼う余裕などなく犬は野良で残飯やゴミ箱をあさって食べている動物という感じでした。
少し時代が進んで裕福な家庭で犬を飼っていても日本ではドッグフードという概念自体がなくて犬には残飯を与えるという事が普通でした。
ビタワンの登場
1960年以降の日本は高度成長期に入って行きます。
東京オリンピックが開催されて経済はさらに飛躍して後に海外からは経済大国日本といわれるまでになります。
テレビ・洗濯機・冷蔵庫が3種の神器といわれた時代で消費ブームを引き起こしました。
そして日本での始めてのドッグフードが登場(1960年)名前はビタワン。
しかし発売当初はドッグフードなんて商品の概念はなく、更にはホームセンターなどの店も無い状態。
ブリーダーや獣医を回って説得し続けて販売してもらえるように創業者は営業して回っていったと聞いています。
また穀物関係の会社だったので米屋さんにも置いてもらえてるようにお願いもしていました。
現在もそうですが、アメリカが一番に国力があり最先端を走っていたのでその後を追っていたのが日本です。
少しずつドッグフードというものも認知され始めました。
ビタワンの工場の中の様子を撮影した動画です。(PCのみ視聴可)
賛否両論ありますが、工場の中でこんな感じで作られています。
1970年に入って
日本は完全な高度成長期になります。
カラーテレビ・クーラー・車などをまとめた3Cと呼ばれるものが誰も欲しがりました。
持っている人や家庭は誰からも羨まれる存在になります。
次第に人々の生活は豊かになっていき、ペットを飼うのが当たり前の時代になります。
当時の日本は勢いがあり、新しい物を出せば好奇心を持つ人が多い時代でした。
次第にビタワンも認知されて売れる様になり、この頃からドッグフードもテレビCMに流され始めます。
しかしまだ、ドッグフードというのは新しい物ですので安全性の検査など判断基準が出来ていません。
人々が次第に豊かになって犬を飼う人が多くなるとドッグフードは犬が毎日食べる食料として、幅広く普及される事になります。
売り方としては、あくまで日本の普通の家庭での外飼をしている家庭に対してです。
アメリカみたいなカッコいいトレンドや流行を意識させる手法ではなく、ドッグフードをあげるのが、ごく普通ですよといった感じの売り出し方になります。
ドッグフードは手間が掛からなくて、保存も出来てるので普段から忙しいあなたにぴったり。
自分で犬用のフードを作るのは時間が掛かるし、残飯を挙げていては栄養不足になりがちです。
メーカの方できちんと栄養を管理したドッグフードがありますので毎日これと水だけをあげていれば大丈夫ですよ。
パッケージを開ければすぐに与えることができます。
このような広告を流しました。
「ドッグフードを買えば便利で簡単」といったイメージと広告の戦略どうりとなり、日本のドッグフード市場は大きくなり各社もそろって参入するようになりました。
今後のドッグフードについて
「ドッグフード」という商品地位が確立して以来、犬の食べ物はドッグフードを与えるという意識をほとんどの飼い主が持つようになりました。
フードも多様化されて今までは水分の少ないカリカリの水分3%~10%の「ドライタイプ」をメインで発売されていましたが開発が進んで。
水分25%~35%の「ソフトドライ」と「セミモイスト」タイプや水分75%以上の「ウェットタイプ」などといった水分を含ませて嗜好性や匂いで愛犬の食欲にアプローチしていく製品など様々な物が発売されました。
またフードだけではなく犬用のおやつやガムなども市場にあふれていくようになりました。
スーパーからコンビ二まで陳列されるまでに売れる大きなマーケットに成長します。
開発が進みメーカー側は、より利益を上げるためにコストを下げる研究をしながらドッグフードを製造していきます。
バブル期のペットブームの影響もあり、利益重視のために様々なメーカが参入して低コストで作ったドッグフードがTVCMの広告を流せば売れるようになります。
この頃は漫画で人気となったシベリアン・ハスキーがとても人気でした。
ちなみにピーク時はバブルということもあり40万~50万円で売られていたとのことです。
ブームが来れば関連したペット市場は需要が増えて利益があがることになるので、さらに加速し始めます。
大きくなったドッグフード市場の現状
この頃のドッグフードというのは、人間用の食べ物の廃棄分の材料をたくさん使うため仕入れ値(原価)がとても安くドッグフードが売れれば利益が大きかったのです。
高いCM広告費を使っているのに、安いドッグフードを売って利益が出ているのは、そういった理由があるといえるでしょう。
フードメーカの材料を卸す業者側も処理にお金が掛かる廃棄分を利益に変えられる為とても都合が良かったのです。
ですから、ペットフード工場の側には肉処理加工場や魚の処理場が近くにありました。
こういったメーカが作り出すドッグフードはCMで流しているような有名な製品も多数あります。
みんなも愛犬に与えているから安心だと思って疑いなくドッグフードを与えている人がたくさんいました。
この頃は情報を取得する方法がTVや新聞しか無かったので仕方ないともいえるでしょう。
まだ、一般家庭で犬を外飼いにしていた家庭が多かった時代です。
しかし、一方で繁殖ブリーダーは安いドッグフードを与えて手間とコストを下げながら犬を成長させることができた為、都合が良かったというのも事実です。
さらに時代が進むにつれて現代へ
愛犬家たちの声により「栄養」と「安全性」にも注目されていくドッグフード業界。
そういった理由からペットフード安全法というルールも作られました。
そして、犬は外飼いから室内飼いが主となっていきました。
さらに情報はTVだけではなくインターネットが普及するようなります。
ペットショップでは一人暮らしで犬を飼う人や、そういった層に向けて飼いやすいように改良された小型犬などが増えていきました。
スマートフォンを持つことが当たり前になり現代では、様々な情報がいつでもどこでもたくさん得られるようになりました。
犬のサイト、犬のブログ、動画、愛犬との生活を伝えるインターネットやSNS活動、そして少しずつ増えていくペットが相談できる賃貸物件。
愛犬家によるドッグフードやペットの価値観が変化し始める
愛犬はペットという立場から大切な家族という考えと意識が日本中に広まっていきました。
インターネットで情報取得が簡単になった現代では、必要な栄養価やフードの原料について調べれば簡単に危険性が分かるようになり、消費者や飼い主が知識をつけて疑問を持つようになります。
大事な家族に人間の都合で利益目的だけに重点を置いた粗悪なドッグフードをあげたくない。
多少コストがかかっても犬のために考えられた高品質なドッグフードを求めていく意識の高い愛犬家が増えてきました。
今の日本の現代社会では結婚という価値観が崩れていき、女性の社会進出が目立つようになりました。
愛犬を家族の一員として一緒に暮らす女性の方が増えてきおり、実際に一人暮らしでペットを飼っている人は男性より女性のほうが多いという事実があります。
今後のドッグフード業界について
過去を振り返ってみると企業の利益重視で、安くてお手軽な粗悪ドッグフードばかりが巷(ちまた)にあふれていました。
しかし、今は高品質で安全性を重視したドッグフードがインターネットで簡単に買える時代になり愛犬が安全なドッグフードを毎日食べて病気をせず長生きして暮らしていく時代になってきました。
ドッグフードがここまで進化してきたのは、愛犬家たちの努力の賜物だと思います。
愛犬の体にあった良いドッグフードをあげる事は、あなたと愛犬の幸せの人生(犬生)に繋がることでしょう。
高品質で良いドッグフードを与えてあげる事が、私たち愛犬家の新しいトレンドや流行になればと願っています。
もし興味があったら見てもらえればと思います。