犬が匂いを嗅ぐ理由と嗅いでいる時に何を思っているか場面ごとに説明します。
散歩中に良く匂いを嗅ぐ電柱などがある場合「いつもこの電柱で匂い嗅ぎをするようなあ、長いなー何回嗅いでも匂いなんて同じでしょう」と思っている人もいるでしょう。
それには理由がありは犬が情報を取得するためで、私たちでいえばスマホやテレビなどで気になる情報をキャッチしたり、近所の奥さん同士が世間話をしていることと同じようなものなのです。
そして気になった匂いがあった場合などさらに追求して嗅ぎたくなるのです。
犬の嗅覚で匂いを嗅ぐという行為はざまざまなことを確認したり、さらには予想できたり出来るのです。
犬が匂いを嗅ぐ理由とその時の気持ちを理解できれば、あなたも犬が何を探しているのか?何が気になっているのか?ということに気づくことができ、後々の犬の行動を把握することに繋がります。
しかし場面別によって匂いを嗅ぐ意図が変わってきますので、これから説明して行きます。
臭い嗅ぎの困ったことでの対処法も書いていますので、是非最後まで読んでいってくださいね。
目次
- 1 犬が匂いを嗅ぐ理由と気持ちを場面別に解説
犬が匂いを嗅ぐ理由と気持ちを場面別に解説
散歩中に電信柱の匂いを嗅ぐ
有名な話ですが、犬は自分の縄張りを主張するためにオシッコをして、自分の匂いをつけます。
この行為をマーキングといいますが、自分の散歩犬内に知らない匂いを嗅ぎ取るとそれがどういった犬なのか、さらに鼻をきかせて情報収集をします。
マーキングはオスがすることが多いですが、メスも発情したら自分の存在を知らせるためにすることがあります。
犬の気持ち
僕の縄張り今日も大丈夫かな?
分かる情報源
オスかメスか?
メスなら発情期かどうか?
体格はどれぐらいか?
知っている犬かどうか?
いつごろ来たのか?
何頭ぐらいきたのか?
帰宅した飼い主やあなたの匂いを嗅ぐ
あなたに付いている色々な匂いから何をしてきたのか行動を探っています。
本来のあなたのに匂いに加えて、洋服やバッグについた匂いから、あなたの言った場所、会った人などを推測しています。
汗・煙・湿気・香水・食べ物の匂いなどから、あなたの行動はバレている可能性があります。
犬の気持ち
あなたはどこで何をしてきたのだろう?気になる。
分かる情報源
どこに行った?
何をしてきた?
誰と会ってきたのか?
他の犬の陰部や肛門を匂いを嗅ぐ
名刺を渡して、情報を交換しながら挨拶をしている。
肛門や陰部付近は、犬のフェロモンが出る場所です。
その匂いを嗅ぐということは名刺を見ているもので、相手の犬の性別や年齢をはじめ、健康かどうか、メスなら発情期かどうか、自分より強いか弱いかなどが分かります。
これは来客した人のお尻や股間などを嗅ぐ場合も一緒だと考えてもよいでしょう。
犬の気持ち
相手はどんな犬なんだろう?
分かる情報
相手の犬の年齢
相手の犬が発情期かどうか
相手の犬が健康かどうか
相手の犬が自分より強いかどうか
はじめて味わう食べ物のにおいを嗅ぐ
前にたべた匂いと比較して大丈夫かどうかを推測。
食べたことがないものには、少しずつ鼻を近づけて前においしかった食べ物の匂い、またそれに近い匂いがしたら食べても安全と判断をします。
味にうるさい、神経質な小型犬などは慎重に匂いを嗅いぎます。
食いしん坊でおなかをすかせた大型犬などはそこまでにおいを嗅がずに飛びつく傾向があります。
犬の気持ち
これは食べても大丈夫かな?
分かる情報
食べても大丈夫な物なのか?
前に食べたおいしい食べ物か?
床や地面の匂いを嗅ぐ
匂いをたどるのは本能ですが、別なケースとして不安な気持ちを鎮(しず)める場合があります。
犬が床や地面も匂いを嗅ぐのは「臭いの元を追跡したい」という本能から来るものです。
過去においしい思いをした犬は、特に探索をしたがります。
また不安を感じた時に、気持ちを落ち着かせようとして匂いを嗅ぐ事があります。
犬の気持ち
この臭いの先にはなにかおいしい物がある。
空中の匂いを嗅ぐ
自分に関心のある匂いを嗅ぎ分けて大体の方向や距離を図っています。
空中に多くの匂いがあります。
敏感に反応するのは食べ物ですが、オスの場合、発情期のメスの存在も空中の匂いからも察知するようです。
鳥猟で働いていたイングリッシュポインターなどは、空中などの匂いから鳥の位置を猟師に伝えていました。
犬の気持ち
発情期のメスがどこかにいるかも
分かる情報
おいしい物の匂い
発情期を迎えたメスがどこかに居ないか?
自分のウンチやオシッコの匂いを嗅ぐ
排尿物のにおいで体調の変化を敏感に嗅ぎ取っています。
犬は人間のようにウンチやオシッコなどを汚い、不潔などと思っていません。
むしろ、進んで排尿物の匂いに変化がないか嗅ぎ分けて、胃腸などの具合に変わりはないか確認しています。
犬の気持ち
今日の体調はどうかな?
分かる情報
自分の体調。
他の犬のウンチやオシッコの匂いを嗅ぐ
知っている犬のものか健康な犬のものなどが分かる。
電信柱と同じようにどの犬がやったのか推測しています。
知らない犬の場合、自分の安全圏があら荒らされないか、警戒心を持つことも。
また、自分の排尿物と同じで他の犬の健康状態も分かります。
犬の気持ち
どんな犬がオシッコをしたのだろう?
人の足元や口周りの匂いを嗅ぐ。
足の匂いや口臭から人の体調などを調べています。
足元は主に足の匂い、口まわりは口臭を嗅いでその人物の汗のかいている具合や食べたものを調べているのです。
飼い主であればいつもと変わりがないか?お客さんであれば誰だろう、どんな人だろうと探っています。
犬の気持ち
何か食べてきたのかな?体調は変わりないかな?
新しい敷物や服の匂いを嗅ぐ
生活圏内に知らない匂いがあることが不安で嗅ぎまくる。
自分のテリトリーに飼い主や自分の匂いが付いていないものを見つけると不安を覚えて入念に匂いを嗅ごうとします。
そのあとに自分のにしたいと思えばマーキングや体をこすり付けて自分の匂いをつけますが、関心がなければ近寄らないことが多いようです。
犬の気持ち
馴染みのない匂いで不安だな。
人の洗濯物を匂いを嗅ぐ
洗剤の香りの中に、飼い主の匂いを感じ取って安心しています。
洗う前は当然として、洗った後の洗濯物でも飼い主の匂いを嗅ぎ取ることが出来ます。
特に直接肌が触れる下着や靴下の匂いには敏感です。
大好きなあなたの匂いを嗅いで安心したい気持ちの表れでもあります。
犬の気持ち
大好きな飼い主の匂いがする。
人がケガをしている部分の匂いを嗅ぐ
腐敗臭に近い匂いや薬品の匂いに反応しています。
また病気を発見する犬も。
炎症や細菌感染がある箇所は腐敗臭に似たに匂いや薬の匂いなどがします。
いつもと違う匂いに興味をを持ちながらその人の変化に感付いて不安になることもあるようです。
中には、尿のニオイから、人の病気を見抜くように訓練された犬もいます。
犬の気持ち
いつもと違う匂いをしているけど大丈夫かなあ
あなたの手の臭いを嗅ぐ
愛犬に手を下から口元に差し伸べることは、自分の臭いを嗅がせることで、あなたには敵意が無いですよと伝えていることに近いのです。
嗅いだ後に手を舐めてきた場合は、あなたの事を認めたと判断してよいでしょう。
あなたに従うことを決心して舐めるのです。
しかし、相手がお客さんの場合噛み癖などがある犬の場合は、噛む事も考えられますので、犬のしつけ具合によって判断するべきです。
ニオイ嗅ぎをやめさせる方法
警察犬や猟犬がいるように、犬が匂いを嗅ぐということはごく普通のことで完全にやめさせるといったことは無理ですがコントロールすることは可能です。
匂い嗅ぎを少なくしたい場合は出来るだけ近寄らないで通り過ぎることです。
犬が匂いに興味を持ちそうな場所をで、衛生的に良くない箇所や、病気感染しそうな所は臭いの関心を持つ前に速やかにその場所を離れましょう。
その際にあなたとアイコンタクトを取りながら歩く練習をすると楽に避けることが出来ます。
下記にアイコンタクトの覚えさせ方のリンクを張っておきますね。
是非見ていただければと思います。
【犬とアイコンタクト】を覚える方法。とっさの事故防止に効果的。
匂い嗅ぎで困った時の対処法。
散歩中匂いを嗅いでばかりで先に進まない。
ニオイ嗅ぎを途中でやめさせると、欲求不満になりかねません。
あなた主導で匂いを嗅がせて、キリの良いところで止めさせるトレーニングをしましょう。
トレーニング方法。
嗅ぎたい匂いの前で「オスワリ」「マッテ」が出来たらご褒美に3秒間嗅がせる。
①匂いを嗅がせたい電信柱の前で「オスワリ」か「マッテ」
②出来たら「OK」の合図で匂いを嗅がせる。
③3秒間匂いを嗅がせたら、愛犬の名前を呼んで目を合わせて「イクヨ」と合図して離れる。
来客の匂いをしつこく嗅ぎまわる。
来客時には、愛犬を自由にさせずにコントロールする必要があり、お客さんがいる時に「ハウス」や「マテ」であなたが指示をしたら犬が納得をして従うことをしつけることです。
日ごろからおやつを使ってトレーニングしましょう。
来客時の指示
①マテの姿勢であまたの隣り寄せる。
②ハウスと指示してハウスの中に静かに待機させましょう。
人間の股間やお尻を嗅いでくる
私たち人間の股間付近も犬が情報を取得するための匂いが集まっています。
ですからしきりに匂いを嗅ごうとする犬がいます。
しかし、本能といえどもあなたが嫌な思いや、来客時に防ぎたいのであればしっかりしつけをしてあげなくてはいけません。
まずは人間の股間やお尻をかぐことを駄目だと認識させる必要があります。
他の人には良いなどと教えずに、きっぱり日ごろから誰のお尻や股間の匂いを嗅いだら駄目だということ教えましょう。
嗅ごうとする時にしっかり叱る
股間やお尻を嗅がせる前にまずは手を嗅がせましょう。
そして股間などを嗅ごうとしたら「ノー」や「ダメ」などといった言葉でしっかりしっかりしかりましょう。
時間を置いてしかっても何のことか理解できないので、嗅ごうとしたら早めに「ダメ」「ノー」かどちらかを伝えましょう。
そうすることで愛犬は「ダメなんだな」と次第に理解するようになります。
犬が繰り返し何度も嗅ごうとしても、言葉だけでその都度しかるようにしてあげてください。
とはいえ、犬も我慢しているのですから、しかって教えるだけではストレスがたまります。
出来たらしっかり褒めてあげてくださいね。
最後に・・・
私たちの足もとを嗅いで体調を調べているなんて以外でしたね。
犬の匂いを嗅ぐという行為は正常な行為で、生きていくための中心的な本能です。
本来、犬は匂いを追って餌を食べて、交尾相手を見つけて生活していました。
しかし、現代では餌も用意されてあるうえに、室内飼いなので普段から同じ部屋の匂いしか嗅げなくて匂いを嗅ぐという行為が制限されています。
犬にとっては大切な楽しみの一つで、家のニオイだけでは満足できないのです。
散歩中に匂いを嗅ぐことで外部の刺激や情報をインプットしていますので
出来れば決まった場所や時間で、匂い嗅ぎをやらせてあげたほう健全です。
また、嗅ぎたいニオイを十分に嗅がせてあげないと、匂いが気になって、不安を抱えてしまいストレスがたまったりします。
愛犬の健康のために、時間に余裕があったら出来れば少しでも存分に嗅がせてあげてくださいね。