犬に牛肉を与える方法と注意点やメリットなどを伝えて行きます。
「犬に初めて牛肉をあげるけど・・・与え方が分からない」
「牛肉は食べさせて大丈夫って分かっているけど、正直少し不安・・」
といった人に向けて記事を書きました。
もちろん犬に牛肉は食べさせても大丈夫です。
むしろ、犬は祖先がオオカミだった時に肉を主食として食べていたので必要な食材といっても過言ではありません。
犬は人間の5倍の動物性たんぱく質が必要といわれています。
牛肉は動物性たんぱく質を大量に含んでいて、栄養価的にとても理想的な食べ物です。
牛肉を与えるときの注意点としては特にコレといったものは無く、衛生面に気をつけて最初は焼いて食べさせるほうが良いでしょう。
もちろん「生」でも大丈夫ですよ。
なぜ焼いて食べさせる必要があるのか?
といった疑問や栄養素・食べさせ方・細かい注意点も掘り下げて説明しますのでので是非最後まで読んでいてくださいね。
犬に牛肉を与えることや方法について
![](https://anzen-dogfood.com/wp-content/uploads/2019/09/牛肉-5.jpg)
数ある肉の中でも、特に高級なイメージがある牛肉は美味しくてみんな大好きだと思います。
食卓に並ぶとニオイにつられて頂戴といった風に愛犬がすり寄ってくる光景をよく目にします。
もちろん、わんちゃんも大好物でうちの犬は与えたときの目の輝きが違います。(笑)
牛肉の栄養素
最初に伝えたとおり、牛肉は動物性たんぱく質がメインの栄養素になりますが他にビタミンB類などもあり、有効な栄養がたくさんあります。
動物性タンパク質
簡単に言うとアミノ酸の集合した栄養素です。
犬の身体を作るために必要な基礎となる栄養素で、骨・血液・皮膚・被毛・ホルモン・消化酵素や筋肉などを作って身体全体の健康を支えています。
タンパク質が不足すると、毛並みが悪くなったり、皮膚や身体が弱くなる可能性もあり貧弱な身体になってしまいます。
犬にとって不足しがちで一番必要とされている栄養素です。
ビタミンB類
体を正常な育成状態に持っていったり、エネルギーを有効に代謝できるようにする働きがあります。
ミネラル類
骨や歯、酵素、ホルモンの構成部分になり、血液の凝固を助けたり体液バランスの調整をする働きがあります。
リン
骨や歯を丈夫にしたり、神経や筋肉を健康に保つ働きがあります。
カリウム
体に不要な老廃物や、塩分を尿にして外に出す役割があります。
さらに血管機能を調整して健康を維持するのに必要な栄養素です。
酵素
犬の消化を助けて、肥満を防いだり体の免疫力を高める効果があります。
鉄分
貧血を予防する役目があります。
牛肉の各部位についての説明
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牛肉はたんぱく質が多いけどカロリーも同時に高いので、肉の部分により脂身の多さを判断してカロリーを調整しても良いでしょう。
サーロイン
背中の下にある部分で、柔らかくて最高な部位で値段も高価です。
肉汁が出るので主にステーキに用いられる肉です。
脂身が多いです。
バラ肉
ろっ骨付近についている肉でカレーなどの煮込み・すき焼き用などで売られています。
脂身が多いです。
ロース(肩)
背中の筋肉付近にある肉で、しゃぶしゃぶやすき焼きなどに薄切りにして使われます。
脂身は少ないです。
モモ肉
後ろ足の付け根の部分にある肉でカロリーが低いので犬の肥満が心配な人におすすめです。
シチューやスープ料理に使われます。
脂身がほとんどありません。
脂身をあげるときは、脂質が高いので注意は必要です。
牛肉の調理法
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加熱(茹でたり・焼く)させて食べさせる方法と生で与えるといった方法の2種類あり、それぞれに特徴があります。
犬は肉を生で食べてもある程度の雑菌に対しての抵抗力があるといわれています。
しかし、最近の愛玩用の小型犬などは品種改良をかさねてしまい狼から遺伝子が遠くなっていますので殺菌や肉の抵抗力にやはり不安が残ってしまいます。
牛肉をステーキにして与える
調理法として、フライパンの上でオリーブオイルを引いてそのまま肉を焼く王道のステーキにするといった方法が一般的です。
また、身体が小さい犬や老犬のために、1枚丸ごと焼くのではなく1cm以内ぐらいの正方形に切ってサイコロ状にして焼くといった方法がベターです。
なるべく焦がさないように焼き加減に注意してください。
牛肉を茹でて与える
手作り食で使われる調理法で、牛肉を食べやすい大きさに切った状態にして沸騰したお湯で茹でるといった方法です。
肉自体の脂を落とすことが出来ます。
沸騰したら肉を入れてアクを抜いて一緒に野菜などを混ぜることもおすすめです。
混ぜる野菜はキャベツ・にんじん・ブロッコリーなど緑黄色野菜が良いでしょう。
牛肉の煮込み汁は、一緒にフードにかけてあげることで食欲増加にもなります。
野菜70%肉30%の割合で一緒に煮込むといった愛犬家が多いようです。
牛肉を生で与えることについて
ドッグフードなどでは摂取することができない、食物酵素を取ることができます。
牛肉はきちんと管理されていることが多く、鳥や豚と違って生で食べさせて良いといった意見が多いと思います。
しかし、それは狼に近い犬種を飼っていたり、中型犬以上の犬や海外でのブリーダーさんなどのベテランの基準での回答です。
今回食べさせるのは、あまり肉を食べたことが無いあなたの愛犬で、主に小型犬を飼っている人に対して伝えています。
飼っている犬の顎や口・消化器官も大きさが違います。
この記事ではあくまで初心者向きなので、焼いて食べさせることを推奨しています。
犬は胃酸の分泌がとても強く、多少腐りかけでも牛肉ぐらいの菌なら殺してしまうので、食中毒になることは少ないでしょう。
でも、急に生肉をあげてしまうと、普段食べていないものが胃の中に入ってしまいビックリして下痢を起こす可能性があります。
生肉を食べさせたいと思っている人は、最初は焼いてあげて少しずつ焼き加減を少なくして生に近づけていくといった方法がお勧めです。
その際にも食べやすいように小さく切ってあげてくださいね。
肉の衛生が気になる人についてお伝えしたいことは、「人間レベルで食べられる衛生管理がされているものは生でも大丈夫でそれ以外は基本加熱が必要」
といった判断基準を持っておけば良いでしょう。
牛肉を加熱した場合と生の違い
加熱した場合は、ビタミンが熱に逃げてしまったり消化酵素が半分になるといった違いがあります。
動物性タンパク質には影響がないので、加熱したからといって損するような事は特にありません。
牛肉の焼き加減
実は牛肉にも10段階の焼き加減があります。
それぞれどういった呼び名と特徴があるのか見ていきましょう。
ロー
完全に生の状態
ブルー
生に近く片方の面は両面を数秒焼いた程度の状態。
ブルーレア
ブルーとレアの間、片面か両面を数十秒焼いた程度。
レア
両面の表面を焼いた状態で見た目が鰹のタタキみたいな状態。
ミディアムレア
レアとミディアムの間
ミディアム
切ると中身の全体の色は変わっているが、肉汁は生に近い焼き加減。
ミディアムウェル
ミディアムとウェルの間の焼き加減。
ウェル
中身まで火が通っていてよく焼いた状態。
ウェルダン
ウェルよりも良く焼いている状態。
ヴェーリー・ウェルダン
完全に中まで焼いて、見た目では肉汁が肉から外に出ない状態。
牛肉の注意点
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牛肉は犬にとって確かに理想的な食べ物に近いのですが、様々な注意点があります。
しっかり見落としがないように見ていきましょう。
調味料をつけないで与える
私たちが肉を焼くときや、料理するときに塩やコショウをつけたりしますが、それは犬にとって塩分過多になってしまいます。
スーパーで買った場合は、人間の料理用に味付けされている牛肉もありますのできちんと確認してください。
特に焼き肉用のタレなどは、成分にタマネギやネギ類が入っている可能性が高いのでかけるのは絶対やめてください。
素材のままの味や肉汁で犬は十分な美味しさを感じる事が出来ます。
アレルギーや体に合わない犬もいる
中にはアレルギーや体に合わない犬もいます。
最初は、ごく少量から与えて様子を見るといった方法をおすすめします。
アレルギーや体に合わない場合は以下の症状が表れます。
下痢や嘔吐
体をかゆがる
元気がなくなる
目が充血する
こういった症状が出た場合、安静にしてしばらく様子をみるか酷くなったり回復しない場合は獣医さんに相談しましょう。
食べやすいように切って与える
元々肉を食べていたから大丈夫と思っている人もいますが、品種改良されて今の犬種になってきたのです。
小型犬などは特に、身体の大きさや喉の大きさも全く異なります。
食べやすいサイズに切って、喉や食道に詰まらないようにしてあげましょう。
食べさせる量を守って与える
牛肉は栄養素が高い分、カロリーも同時に高いといった特徴があります。
喜んで食べるからといって与えすぎると肥満を引き起こしたり、牛肉を食べたいあまりにドッグフードを食べなくなってしまう可能性があります。
きちんと与える量を守りましょう。
与える量として
普段与えているドッグフードの量が数字で10にすると割合は2割で下記の通りになります。
ドッグフード80%以上に対して牛肉20%以下の割合で食べさせる。
つまり20%以下で牛肉の量を調整して与えてあげてください。
まとめ
動物性たんぱく質が大量に摂取できて犬にはとても理想的な食材
最初は加熱して食べさせる。(ステーキにしたりお湯で茹でる)
どうしても生で食べさせたい場合は、少しずつ焼き加減を少なくしていく。
生の場合、消化酵素を有効に摂取できる(加熱した場合半分になる)
食べやすいサイズに切る。(ステーキの場合1cm×1cm以下が望ましい)
アレルギーを起こしたり、身体に合わない犬もいる。(最初は少しずつ与えて様子を見る)
調味料をかけないで食べさせる(フライパンにオリーブオイルなら敷いても大丈夫)
脂身をたくさん食べさせない。
食べさせる量は、全体の20%以下にする。
経済的にきついのなら牛肉を常食させない。
最後に
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犬に牛肉は贅沢だという声が聞こえてきそうですが、食べさせる機会があったり余ったときなどに焼いて食べさせてみるのも良いでしょう。
しかし、肉類は常食させるとドッグフードを食べなくなる可能性が高くなってしまいます。
毎日肉類を食べさせることができる人以外は、あげる頻度に気を付けることが必要です。
実際にご馳走を食べると、私達と同じように犬もストレスも和らぐし、心と体にとても良いものです。
良質なドッグフードを食べさせているのでしたら、無理せずに特別な日などにたまに与える程度で十分といった意見もあります。
しかし、どうしてもフードだけでは吸収率が落ちて動物性タンパク質が有効に吸収できずに不足するといった自体が起きてしまいます。
犬に肉を食べさせる事は経済的にもきついかもしれませんが、出来れば積極的に与えていきたい食べ物です。